中古住宅購入時の注意点を現役のホームインスペクターが解説!住宅性能編
中古住宅の性能をチェックするときに見るポイント
中古住宅を購入する際、どんなところを重要視していますか?立地や価格を最重要視される方も多いのではないでしょうか?今回は見落としがちな、住宅の性能「耐震」「断熱・省エネ」「耐久性」のチェックポイントをホームインスペクター|建築士が解説していきます。
まずは耐震性をチェック!判断基準となる3ポイント
ここ20年で日本は多くの大地震を経験しました。阪神淡路大震災、中越地震とマグニチュード7クラスの直下型地震では、数多くの住宅が倒壊しました。
最近では、熊本・阿蘇地方を震源とする熊本地震が発生し、この地震でも多くの住宅が半壊、全壊しました。これらの震度7クラスの大地震が発生した場合、耐震性が低い住宅は、大規模な損壊を受けてしまいます。中古住宅を買う場合、もっとも重要視したい耐震性を判断する3つのポイントをお話しします。
1.建物の建築年数で判断する
住宅の耐震性にかかわる建築基準法はこれまで2度大きく改定されています。
1981年に一度目の改定があり、耐震性に重要な壁量の基準値などが設けられました。一般的には1981年6月以降に着工した住宅は『新耐震基準』で設計されています。
2度目の改定は2000年にあり、中越地震を受けて、木造住宅の柱の引き抜きを防止するホールダウン金物の設置が義務付けされ、さらに耐震性が増しました。
2.耐震診断を実施する
耐震診断とは、設計・施工のプロである、建築士(一級・二級・木造)が住宅の耐震性を調査し、現行の耐震基準に満たしているか判断します。耐震診断について詳しくはこちら >耐震診断とは
3.竣工図のチェック
住宅を販売している場合、多くの不動産業者は家の間取りなどを描いた設計図面を持っています。その設計図面の中には、耐震性を向上させる筋交いが図示されています。住宅の角を中心に三角マークが数多く記載されていれば、耐震性がある程度期待できます。
断熱・省エネ性をチェック!
住宅の中で快適に暮らすためには、断熱性と省エネ性が高い住宅が理想です。天井、壁、床に規定値以上の断熱材が設置されているか確認しましょう。
断熱工事について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧下さい。
また、住宅の窓は断熱性能が低いと一番多くの熱が損失する部位です。ペアガラス仕様・LOW-Eガラスなどの窓が設置されていれば、高い断熱性が期待できます。住宅全体の断熱性を高めると、エアコンなどの効率が良くなり、省エネ性にも繋がりますのでチェックしてみてください。
耐久性をチェック!
住宅を長く住み続けるには、シロアリや雨漏り、水漏れを発生させないことが重要です。特に床下は、白蟻や水漏れの発生確率の高い箇所です。放置すると、土台・柱などの腐食し続け、家の寿命を縮める結果となります。中古住宅購入前には、ホームインスペクションなどのサービスを活用し、床下も調査してもらいましょう。
ホームインスペクションのタイミング・検査内容など詳しくはこちらのページをご覧ください。> 住宅診断:ホームインスペクション
最後に
中古住宅は新築住宅と比べると見えない箇所が劣化している場合が多くあります。屋根・外壁などは10年~15年、水まわりは20年~25年での交換が必要となるケースが多く、中古住宅を買う場合はリフォーム費用も含めた判断が必要となります。
また、本記事でも述べたように、性能に関わるところを考慮するとなかなか掘り出し物がない場合が多いです。ホームインスペクションは、劣化・性能の調査も含め専門家としての第三者目線でのアドバイスを行っています。ぜひ利用してみて下さい。