空き家を相続したら…維持と管理方法
実家が空き家になったものの、「特定空家等」には認定されず一安心。とはいえ、年月と共に劣化が進み、いずれは認定の対象になることも。少しでも劣化を抑えるため、必要なのは維持・管理です。
自分でできる空き家の維持・管理
自身でできる維持・管理の内容について、以下に記します。
換気
閉め切った状態の空き家は、湿気の溜まり場になります。それが、カビの発生や臭いの元になるので、定期的な換気が必要です。空気は出入りできる状態でないと循環しないため、2か所以上開放できるところは全部開けましょう。押し入れ・クローゼット・靴箱など収納部も忘れずに。
室内の掃除
換気をしながら、室内の掃除をします。ホコリや虫の死骸はどこからともなく現れるものです。
水回りの確認
トイレやお風呂などの水道をしばらく開栓し、サビや臭気を防止します。
屋外の掃除
残念なことに、空き家だとその周辺にゴミが捨てられていることも。ゴミがあると、そこは捨ててもいい場所だと勘違いする人もいるので、溜まらないうちに処分しましょう。また、草木が伸び放題だと、害虫獣が増殖しやすく景観も悪くなります。除草・剪定も定期的に行いましょう。庭木の維持が難しければ、伐採や除草剤をまいて処分する方法もあります。
郵便物の整理
郵便局に転居届を提出して、空き家に郵便物が届かないようにしましょう。通常1年ですが、再度転居届を提出すると更新できます。
ただし、チラシなどは勝手に投函されてしまうため、定期的に整理する必要があります。ポストがチラシであふれていると、空き家だと一目でわかってしまうため、不法侵入・不法投棄・放火の危険性があります。
この際、水漏れや外壁のヒビ割れがないかを確認して、必要があれば専門業者に修理を依頼しましょう。これらを1カ月に1回の頻度で行うのが、空き家にとって望ましい状況です。
自分で空き家の維持・管理が不可能なときは
とはいえ、1か月に1回空き家を訪れるのは、なかなか難しいもの。遠方だったら、なおのことです。その際、利用したいのが空き家管理サービスや、生前・遺品整理サービスです。
空き家管理は、前述の維持・管理を定期的に行ってくれます。生前・遺品整理業者が請け負っていることもあります。また、事情により荷物が残っている状態であれば、併せて生前・遺品整理をする方法もあります。屋内が整頓されていれば、賃貸や売却に出す場合も、価値が下がりにくいです。将来を見据えて、このようなサービスを受けるのも一つの方法だといえます。
お近くの地域にもこうしたサービスを提供している会社があると思いますので、遠方であったり、こうしたサービスを頼りたいという方は確認してみましょう。
近年は不動産メーカーが提供していることも多くありますので、問い合わせてみてください。
・富山遺品整理本舗(富山県富山市)
・あいぜん訪問介護センター(福井県越前市)