知っておきたいリフォーム基礎知識。わが家はリフォームできるの?
大切に住んでいた住宅も時間と共に、故障や劣化が生じるもの。そこで有効なのがリフォーム。今回は、リフォームを思い立ったら知っておきたい基礎知識をお伝えします。
リフォームか建て替えか?
住居の気になる部分や直したい部分があれば、まずはそれらを外壁・屋根・水回りなど、場所毎に洗い出してメモしましょう。例えば、こんなところに注意点です。
場所 | 内容 |
---|---|
外壁 | 亀裂やゆがみがある。細かいヒビ割れがある。コケやカビが生えている。 |
屋根 | 雨漏りしている。 瓦屋根の場合:瓦のズレがある。軒先が腐っている。 トタン屋根の場合:色艶がない。ペンキの剥がれや錆がある。 |
水廻り | 水漏れがある。使い勝手が悪い。 |
問題点が分かれば、「早速リフォームを」と考えたいところですが、どんな住居や状況でもリフォームできるわけではありません。建て替えを検討した方が良い場合もあります。
例えば、
- 地盤が悪く、家屋が傾いている場合。
傾いた家を水平に直す方法がないわけではないですが、一度家を解体し、地盤改良を行った上で建て替えを検討されることをおすすめします。 - 土台や柱がシロアリに侵食されている場合。
一度被害にあった木材は取替が必要です。 - 地震に弱い束基盤(昭和40年代以前の建物に多い)の場合。
こちらも解体し地盤の強化が必要です。 - 全面改修で、リフォーム工事費が新築よりも高額になる場合。
※建て替えの場合は、工事費プラス解体費、2度の引っ越し費用、仮住まい費がかかる点をお忘れずに。
上記の4点に当てはまらなければ、リフォームは検討できそうです。
リフォームしやすい家とは
上記の4点をクリアしても、その中でリフォームしやすい家と、そうでない家があります。では、リフォームしやすい家とはどんなものでしょうか。
1981年秋以降の完成物件か?
新耐震基準が施行されたのは、81年6月の建築確認申請以降。それ以前の家では、後から耐震補強が必要になることも(但し、81年以前でも丈夫な建物はあるので、検査する価値はあり)。
木造軸組工法(在来工法)か?
柱や梁で構成される木造軸組工法は、壁が比較的抜きやすく、大規模なリフォームが可能で、他の工法に比べ自由度は高いです。ちなみに木造住宅には主に4つの工法があり、リフォームしやすい順に並べると以下のようになります。
工法 | |
---|---|
木造軸組工法(在来工法) | 比較的リフォームしやすい。 |
プレハブ工法(鉄骨系) | 間取り変更などの自由度は高い。 |
プレハブ工法(木質系・コンクリート系) | 間取り変更は比較的難しい。 |
2×4(ツーバイフォー)工法 | 間取りや仕切りを取りにくいと考えられがちですが、構造が分かりやすい2×4工法は、決められたルールに従えば他の工法に比べて確実なプランを建てられるメリットもあります。 |
また、その他にも以下の点も考慮しましょう。
- 不要な出っぱりや引っ込みのない家か?
凹凸がない四角形に近い形が、構造上安定してリフォームしやすい。吹き抜けは、費用増になる場合も。 - 老後に対応できる間取りか?
車イスに対応できる広めの玄関や、二世帯にも変更できるような間取りは応用性が高い。 - その他、1階と2階の寸法が同じで、構造的に安定している。水回りがまとまっている、など。
ご自宅の工法を、今一度確認してみましょう。さて、リフォームが可能となると、次に気になるのは費用です。次回は、費用面についてお伝えします。
参考文献
- 高橋正典『マイホームは、中古の戸建てを買いなさい!』(ダイアモンド社、2011年)