床暖房の設置で知っておきたい、床暖房の基本
もうすぐ寒い冬がやってきますね。冬の訪れの気配がすると家の暖房器具をチェックしたり、衣替えを始めたりする方も多いかと思います。今回は、そんな季節になると「床暖房にしたいな」と考えている方に、床暖房を導入するにあたり知っておきたいポイントを紹介します。
工事の見積もりをする前に考えておきたいこと
1. 床暖房を設置する場所
リビング、ダイニング、キッチン、寝室など、家のどの場所に床暖房を入れたいのかを決めます。
床暖房の良さを活かすには特に、
1. 家族が長時間生活をする空間 (リビング・ダイニング)
2. 立ち仕事が多い場所 (キッチン)
3. 特に高齢の方がいる場合にはヒートショックの予防に(トイレ、浴室、脱衣所) での設置がおすすめです。
2. 床暖房の種類(温水式または電気式)
床暖房は主に「温水循環式」「電気ヒーター式」の2種類に分けられます。どちらも床面積60%-70%以上にヒーターを敷き詰めれば部屋全体が暖かくなります。
種類 | 使い方 | おすすめポイント |
---|---|---|
温水循環式 (温水式) |
温水を循環させる方式 | ガスや石油を熱源としており電気式よりもラニングコストが割安。広い面積や複数の部屋に設置したい場合におすすめです。 |
電気ヒーター式 (電気式) | 電気発熱ヒーターを使う方法 | 設置工事が比較的容易。初期費用が温水式に比べて割安です。スイッチの切り替えが多い、短時間で使うことが多い場合におすすめです。 |
工事担当者との打ち合わせで確認すること
リフォーム会社に問い合わせを行った後の最初の打ち合わせでは、上記に加えて以下を確認していきます。これらを元に工事の期間やお見積額が決まります。
1. 電気・ガスの容量の確認
最近の床暖房は省エネ能力が高くなってきていますが、導入する床暖房の形式によって、電気やガス・石油のどちらかを使うことになりますので事前に必要な容量が足りているかを確認します。古い家の場合、電気の引き込み線が極端に少ないケースなども見受けられますので、その場合は引き込み工事が必要となるケースもあります。
2. 室外機を設置する場所
設置スペースが十分あるか、設置場所として適するか等の確認を行います。基本的に室外機はどこに置いても構わないのですが、寒い地域の場合は雪に埋もれないよう高めの位置に設置するなどの工夫を行います。
3. 床下の状態の確認
床下に配管を設置するための位置や工事スペースの確認を行います。温水式では、温水パネルの設置のほか、温水を循環する温水配管と熱源機の設置を行います。電気式では電熱パネルを設置します。
どちらの場合も工事するスペースや、配管を設置するスペースが必要なため、工事担当者が事前に床下に入り状態を見る必要があります。
4. リモコンを設置する場所
床暖房を入れる部屋の操作しやすい場所にリモコンを設置します。既存の住宅に入れる場合は、電気配線が既に通っているところにまとめて設置できると、余分な工事費がかからずコスト的にお得になります。
その他よくある床暖房の導入についての質問
1. 床暖房の工事期間中、仮住まいは必要になりませんか?
通常、床暖房の工事は数日程度で終わります。一斉に全ての部屋を行うのではなく、移動して行いますので、仮住まいが必要となるケースは非常に稀です。また、最近では、既存の床の上に敷くタイプもあります。現在の床をはがさず、そのまま設置することが可能なため、施工期間も短くなります。
2. 設置後にトラブルがあったらどうする?
一般的に温水式も電気式もメンテナンスは必要ありません。耐久年数も温水式は建物と同じ年数持ちます。電気式は熱線が切れてしまい交換が必要という場合もありますが、部品交換で済みますので、メンテナンス費用はさほどかからないはずです。
3. 古い家に床暖房を入れることはできる?
例えば築30年の一戸建ての場合、一番のポイントとなるのが電気・水道の容量です。床暖房を導入する場合には、その容量に見合うために水道や電気の引き込み工事が必要となるケースが多いです。ただその点をクリアすれば、床暖房やオール電化など最新の機器を入れることができます。築年数が経っている住宅の場合は窓や壁・天井部分の断熱対策もお薦めします。実際にかかる光熱費が大きく節約できるので長い目で見れば元が取れてしまいます。